存在文

日本語には存在文と所有文という別々の構文が同じ格構造で存在する。

(1)
a. 公園にお金がある。
b. 弟にお金がある。

(1a) も (1b) も両方とも「に」なになに「が」あると同じような構造をしているように見えるが、実際は異なる。 (1a) が存在文で (1b) が所有文である。何が異なるかというと主語の格表示が異なるのである。 (1a) の主語は「お金」である一方、 (1b) の主語は「弟」である。日本語では主語かどうかを探る方法に主に2つの方法が使われる。1つは主語尊敬語化である。主語に合わせて動詞を尊敬語化するのである。もう一つの方法が主語再帰代名詞化である。主語に対して再帰代名詞はその主語を指すようになるのである。

(2)
a. 公園に先生がいらっしゃる。
b. *弟に先生がいらっしゃる。

(2a) の「いらっしゃる」は主語の「先生」を尊敬して変化したので問題がない。一方、 (2b) が非文なのは「いらっしゃる」は「弟」を尊敬化しているようにとらわれるからである。つまり (2) から (1a) の主語は「お金」であり、 (1b) の主語は「弟」であるとわかる。日本語の存在文と所有文は一見して同じような構造をしているように見えるが、実際は存在文では「が」格の名詞句が主語であり、所有文では「に」格の名詞句が主語なのである。

(3)
a. 弟にハエがいる。
b. 弟に猫がいる。

(3a) は「ハエ」が主語の存在文である、一方、(3b) は「弟」が主語の所有文である。しかし (3) の「弟に」を「弟に頭に」と変えると両方ともが存在文として解釈される。

(4)
a. 弟の頭にハエがいる。
b. 弟の頭に猫がいる。

所有文の場合は所有者がやはり有性の名詞句で所有する人でないとダメみたいである。
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by miyakmae | 2018-11-17 08:01 | 言語 | Comments(0)

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