人気ブログランキング | 話題のタグを見る

doctor 「医者」は disciple 「弟子」を教える人?

doctor「医者」はもともとはmedicaldoctor 「医者」のことではなく宗教的な導きを行う「師」という意味でした。doctor「医者」のdocとは conduct「導く」と同根で受け入れられるようにする人という意味です。その受け入れの根拠になるのがdoctrine「教義」やdogma「教義」です。現代でもdocent「講師」という言葉に残っていてdoctorはやはりdoctrine「教義」を教える人という意味です。docent「講師」は大学以外に美術館のガイドをするボランティアの人にも使います。doctor「師」がdoctrine「教義」を教えるのに使うのがdocument「資料」だったのです。一方、教わる人がdisciple「弟子」です。disciple「弟子」はdoctor「師」と違って「学ぶ」人のことです。「教える」と「学ぶ」はconverse逆関係にあるので同じ語源から発達した語を使います。disciple「弟子」の中にも簡単に学ぶ人もいれば、手こずってなかなか思うようにいかない弟子もいます。前者の簡単な弟子を描写するのがdocile「従順な」です。docileとは doc「教える」のが-le=able 「できる」という意味で現代語で言うならteachableということです。docile「従順な」disciple「弟子」はなにごとにもdeign「快く行う」人です。そのようにしてdoctrine「教義」を学んだ人を描写する形容詞がdecent「上品な」です。見苦しくない礼儀正しい人のことです。そのような人はdignity「威厳」や「品位」を持つことになります。dainty「上品な」とか「優美な」ともいいます。dignity「威厳」やdainty「上品な」は「導く」から一歩進んで「導かれた」という意味になり、さらにそこから「(賞賛の)価値のある」という意味に変化しました。そのような人たちはdignified「威厳のある」ようになります。一方、dignitydaintyさがないのをindign「価値のない」とか「恥ずべき」という形容詞でなんらかの罰を必要とします。その罰の価値のあるという形容詞がcondign「(罰が)適当な」とか「当然の」という意味です。一方、否定語がついても肯定的な意味で使われるのがindignant「憤慨した」です。indignantとは不正や不平等に対して怒っているという意味でemotionalangry「怒っている」とは異なります。これらすべてdisciple「弟子」がdoctrine「教義」に従って学ぶものであるdiscipline「躾」や「学問」と関係があります。discipline「学問」も最近では単一の学問では問題が解けなくなっていろいろな分野に渡ったinterdisciplinary「学際的な」研究がさかんになっています。

doctor 「医者」は disciple 「弟子」を教える人?_b0356108_07440590.jpg


by miyakmae | 2018-10-20 09:46 | 言語 | Comments(0)

言語学と猫のブログ    HP「英語と日本語の窓」は    http://miyak.web.fc2.com


by miyakmae
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31