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与格主語構文

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いわゆる与格主語構文である可能構文は主語になぜ「が」の主格ではなく「に」の与格が付与されるかが問題となる。

(1)
a. 太郎が次郎を殴った。
b. 太郎に英語がわかる。

(1b) の「太郎」は主語であるのに「に」格が付与され「英語」は目的語であるのに「が」の主格が付与されている。このヒントとなるのが受動態である。

(2)
a. 次郎に太郎が殴られた。
b. 太郎は次郎に殴られた。

(1a) の受動態は一般に (2b) と考えられるが状況により (2a) も可能である。 (2a) の格構造は (1b) の与格主語構文と全く同じである。また状態性に関しても、 (1b) が状態述語であるのと同じく (2a) も受動態なので状態述語となる。そうすると (1b) の「英語」が目的語ではあるがどことなく「主語」のような要素を持っていることも (2a) の「太郎」と同じように感じる。「わかる」には受動接辞が含まれていないが、「わかる」の内部に受動接辞みたいなものが含まれているのかもしれない。歴史的な知識がないのでわからないが「わかる」がどのように発展してきて現在の意味になったかわかれば少し解明できるかもしれない。

それでもなぜ (1b) の「太郎」に「に」格、「英語」に「が」格が付与されるか解明されなくてはならない。多分、このメカニズムはいわゆる例外的格付与構文と似たようなメカニズムがあるのではないかと思う。

(3)
a. 太郎は次郎が天才だと思っている。
b. 太郎は次郎を天才と思っている。

(3b) のようにもともと補文の主語の位置にあった「次郎」が少し移動して (3b) のように主節の動詞句から「を」格を付与されたようなことが生じているのではないだろうか。

by miyakmae | 2018-06-30 08:51 | 言語 | Comments(0)

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