空間概念が時間概念へ転用されて metaphor となっているのは大半の言語で生じています。空間的「前」は時間的には「未来」を表し、「後ろ」は「過去」を表すのが一般的です。
(1)
a. Their idea is a step forward.
b. He left his memory behind.
「前」=「未来」とか「後ろ」=「過去」という定式が一般的なのですが、日本語では「上」=「時間的あと」で「下」=「時間的さき」という関係もあります。
(2)
a. 7月の上旬
b. 7月の下旬
普通は「上」の方が「過去」を表し、「下」の方が「現在」を表すのですが、「上旬」や「下旬」では逆転しています。英語の
(3)
a. ancestor
b. descendant
「上」の昇るのが「祖先」で「下」に下るのが「子孫」となっています。