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こそ

とりたて詞の「こそ」が気になる。かつての係助詞である。

(1)
a. 多くの学生が中間試験より期末試験を心配する中、太郎には中間試験こそ心配だった。
b. *多くの学生が中間試験より期末試験を心配する中、太郎は中間試験こそ心配した。
c. 多くの学生が中間試験より期末試験を心配する中、太郎は中間試験こそ心配したはずだ。
d. 太郎は中間試験こそ心配したが、期末試験は全く気を留めなかった。

「こそ」は「こそ」がつく句を主語にして強調の「だ」をつければ (1a) のように問題ないが、(1b) のように目的語に「こそ」をつけて単純過去形にすると非文となる。しかし (1c) のようにモダリティーをつけると正文となる。また「特立のこそ」ではなく、「譲歩のこそ」にすると (1d) のように文法的になる。なにが起きているのであろうか。「こそ」を認可するのはなになのだろうか。
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by miyakmae | 2018-04-25 07:30 | 言語 | Comments(0)

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