日本語の特徴は人称代名詞がゼロ代名詞を多用するために、人称を表すのに複合動詞で表現することである。
(1)
a. John called Tom yesterday.
b. John called me yesterday.
英語では人称代名詞を使って表すが、日本語の場合は次のように複合動詞で人称を表す。
(2)
a. ジョンが昨日トムに電話した。
b. *ジョンが昨日私に電話した。
c. ジョンが昨日電話してきた。
英語では(1a) も (1b) も動詞は変化せず call を使うが、日本語では (2b) のように1人称の目的語がでると「電話した」では不適切になる。 (1b) の日本語は (1c) の複合動詞の「電話してきた」となる。このように人称代名詞の違いで動詞の使用の違いが日本語と英語の間には生じる。