移動様態動詞

英語の特徴の一つに様態を動詞の語彙の中に組み込むのがある。例えば walk は動作動詞として使えば、「歩く」であるが、起点や着点をつけて walk from home to the school となると「家から学校まで歩いて行く」と移動様態動詞となる。つまり英語の walk は起点や着点や経路を表すことができ、かつ移動様態を表す動詞なのである。ゲルマン語系の動詞の特徴である。一方、日本語の「歩く」は起点とか着点を表す移動動詞というよりは「経路」を表す動作動詞である。この違いがいろいろなところに現れてくる。

(1)
a. John walked to the station.
b. *ジョンが駅に歩いた。

しかし英語は walk は起点も着点も経路もすべて表すことが可能である。しかし日本語の「歩く」では経路を表すのが一般的なのである。

(2)
a. John walked from the station to the school along the busy street.
b. ??ジョンが通りの激しい道を駅から学校に歩いた。

英語の to は着点を表すが日本語の「に」は着点というよりは「方向」を表すのでいろいろと違いが出てくる。

(3)
a. *John walked to the station but he didn't reach there.
b. ジョンが駅に歩いて行ったが着かなかった。

(3) のような違いが出てくるのは英語の walk が起点とか着点指向なのに対して日本語の「歩く」は経路指向なので「に」は着点でなく「方向」つまり経路を表す傾向が強いからである。

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by miyakmae | 2017-11-19 06:43 | 言語 | Comments(0)

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