統語的アスペクトの日英比較で三原 (1997) は次のような分析をしている。まず日本語のアスペクトを表す表現を「た」と「ている」に2つに分け、それぞれ次のようなものと並行的であるとする。
(1)
a. 完了ーたーーーhave + -ed
b. 結果ーているーhave + -ed
c. 継続ーているーhave + -ed
d. 経験ーているーhave + -ed
e. 進行ーているーbe + -ing
(1) の左側が英語の相で右側が日本語の表現である。形態的には英語は (1a)から (1d) までが have + -en で (1e) が be + -ing である。一方、日本語は最初の (1a) のみが「た」で他は「ている」である。完了と進行以外はすべて英語の have + -en と日本語の「ている」が並行的である。しかし完了と進行で日本語と英語とでは異なった形式を用いている。この辺の違いが日英の動詞の語彙化の違いと関係しているのではないだろうか。