Linebarger の否定極性要素分析

否定極性要素は否定語や疑問や条件の作用域の中になくてはいけないが、表層のみでは分析しきれない。

(1)
a. John didn't call yesterday, did he?
b. *John didn't call because he was too busy, did he?
c. John didn't call because he wanted anything, did he?

付加疑問文は文否定の時には肯定、肯定文の時は否定となる。 (1a) は否定文であるから did he で問題ないが (1b) の場合は非文となる。一方、それによく似た (1c) は問題がない。この違いを Linebarger (1980) は否定極性要素は表層ではなく、論理形式において not の直下になくてはいけないと分析している。それぞれの論理形式は次のようになる。

(2)
a. NOT (John called yesterday)
b. CAUSE (he was too busy, John didn't call)
c. NOT (CAUSE (he wanted anything, John called)

(1a) と (1c) は論理形式では NOT から始まる文否定であるので、付加疑問文は肯定となるが (1b) は単なる2つの命題を連結している CAUSE だけの文なので文否定ではない。ゆえに付加疑問文も否定でなくてはいけないのが肯定になっているために非文となっている。

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by miyakmae | 2017-11-07 08:17 | 言語 | Comments(0)

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