トコロ節

原田 (1973) の Counter Equi Noun Deletion でトコロ節を次のような分析をした。

(1)
a. 警察が泥棒が逃げていくところを逮捕した。
b. 警察が(泥棒)泥棒が逃げているところを逮捕した。

(1a) の根底には (1b) のような構造があり、泥棒が同一なので後半の (泥棒) を削除した counter equi noun deletion であると考える。つまり原田はトコロ節は名詞節ではなく副詞節であると考えるのである。これに対して中右 (1973) はトコロ節は副詞節ではなく名詞節であると主張する。原田は (1a) の動詞「逮捕する」の目的語は「ところを」ではなく明らかに「泥棒を」であると主張する。また

(2)
a. 警察に泥棒は逃げていくところを逮捕された。
b. *警察に泥棒が逃げていくところは逮捕された。

トコロ節を名詞節と考えると、受動態にする場合は (2b) のようになるが、これは非文となる。しかし「逮捕する」の前に「泥棒」が削除されていると考えると、その受動態は (2a) となり文法的となる。また

(3)
a. 警察が泥棒を逮捕したのは逃げていくところをだった。

(3a) のような話題化文が可能であるのは (1a) の文の根底に (1b) のような基底文があったことを示唆するとした。

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by miyakmae | 2017-10-24 13:11 | 言語 | Comments(0)

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