統語論と意味論の違い

統語論と意味論の違いは主語や目的語の名詞句の取り扱い方にある。

(1)
a. John answered the question.
b. The question, John answered.

(1a) の文と (1b) の文の論理的な意味はほぼ等価である。語用論的に焦点や前提はことなるが意味的には (1a) も (1b) も変わらない。しかし主語や目的語が次のような場合は異なる。

(2)
a. Almost everybody answered at least one question.
b. At least one question, almost everybody answered. (Heim & Kratzer, 1998)

(2b) も (1b) と同じように話題化して (2a) の目的語を文頭に移動したものである。 (1b) の話題化の場合は (1a) と論理的な意味は変わらなかったが、 (2b) の意味は (2a) の論理的な意味と異なる。ということは (1a) の John や the question という名詞句と (2a) の almost everybody や at least one question という名詞句は同じではないという結論をつけることが可能となる。つまり John や almost everybody は両方とも名詞句として統語的には扱われるが、意味的には別のタイプであると考えられる。それゆえ、意味の解釈は (1) の文と (2 ) の文とは異なるということがわかる。 (1) の John や the question は (e) として分類されるが (2) の almost everybody や at least one question は (e) でないことを示唆しているのである。

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by miyakmae | 2017-10-21 21:54 | 言語 | Comments(0)

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