被影響制約

普通、他動詞文を名詞化したら、当然、その受動文の名詞化も可能である。

(1)
a. the enemy's destruction of the city
b. the city's destruction by the enemy

しかし受動文の名詞化が非文になる場合もある。

(2)
a. the man's reception of the book
b. *the book's reception by the man

名詞句の by は動作主がこないと非文になるのである。受動文の by は動作主、経験者、主題、着点といろいろなものが可能であるが、名詞化された by は動作主のみに限定されるのである。Jaeggli (1986) は受動文の by は動詞の受動接尾辞が主語の意味役割を受け取り、それが by に転送されるのでいろいろな意味役割が可能であると分析する。しかし名詞句では意味役割転送が働かず by は default の動作主のみに限定されると考えている。だから受動文の名詞化では Anderson (1978) の言う被影響制約があるという。

(3)
a. John's expression of relief
b. *relief's expression by John
c. John's gift of books to the library
d. *the books' gift to the library by John

b0356108_05270625.jpg

by miyakmae | 2017-06-07 05:27 | 言語 | Comments(0)

言語学と猫のブログ    HP「英語と日本語の窓」は    http://miyak.web.fc2.com


by miyakmae