認識的用法の助動詞の過去形

助動詞の2つの用法の中の認識的用法は命題にかかっているため複文の構造をしていると考えられる。

(1)
a. John must study hard.
b. John must be a student.

(1a) は根源的用法の助動詞で must は動詞句の中にあるが、 (1b) は認識的用法で命題にかかっているため文の外側にある。

(2)
a. John [must study hard].
b. must [John is a student].

(1b) は (2b) のような構造をしている。根源的用法も認識的用法も過去形の表し方があるが、根源的用法の過去形は普通の動詞の形態変化して過去形を表すのと同じような方法で表す。つまり、can の過去形は could, may の過去形は might, must の過去形は must というように。しかし認識的用法は普通の動詞のような形での過去形は使わない。これは (1b) は動詞の中に組み込まれているのではなく must そのものが1つの文みたいに働いているからである。英語ではこのような場合は相対時制を使うのが一般的である。相対時制とは次のようなものである。

(3)
a. It seems that he was kind.
b. He seems to have been kind.

(3a) の複文を、見かけ上は単文で表すと (3b) のようになる。 (3a) の従属節の中は過去形であったから (3b) の to 以下も過去形でなくてはいけない。このような時に相対時制を使う。 (1b) は (2b) のように (3b) の形態をしているので「違いない」とか「可能性がある」とか「かもしれない」という認識的用法の助動詞の過去形は完了形を使って相対時制的に表す。だから (1b) の過去形は次のようになる。

(4)
a. John must have been a student.


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by miyakmae | 2017-06-03 06:27 | 言語 | Comments(0)

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