英語では不定冠詞を付けることによってその後の名詞の意味をいろいろと変化させるのが一般的である。
(1a) では a をつけることで a glass of beer を表したりする。 (1b) でも a をつけることで an attribute of metal とか a kind of metal とかいろいろな意味を表す。 (1c) も a をつけることで a piece of stone とか a kind of stone とかいろいろな意味を表す。しかし不定冠詞をつけなくても意味の拡張は可能である。普通 language というと Japanese とか English という個別の言語を表す。当然、このような時には不定冠詞の a がつく。
a. Japanese is an East Asian language.
b. I am interested in the way children learn language.
しかし (2b) の language は不定冠詞がついていないので個別の language を意味するわけではなく、人間の communication 手段としての「言語」一般を意味する。抽象的な「言語というもの」というような意味である。不定冠詞なしではこのように抽象的な言語一般を表すが、形容詞や前置詞を使っても、抽象的な言語一般の種類を抜き取ることができる。
a. He explained the theory in clear language.
(3a) の language には不定冠詞が付いていないから、part とか characteristic とか unit というような具体的なものを表すことはできないが前置詞の in や 形容詞の clear をつけることによって抽象的な language の意味要素を抜き取ることができるのである。前置詞の in は「方法」や「手段」を表すので language も「言語手段」を意味しているのが分かるし、clear が付くと明らかに話されている言語ではなく「話され方」を意味するとわかる。 (3a) の language は「ことばつかい」を意味することになる。また
a. Primitive language is not concerned with emotions and attitudes.
(4a) の language は不定冠詞がついていないので個別の言語を表しているのではない。しかし形容詞の primitive が言語一般を2分して primitive language と advanced language に切り分けているのがわかる。しかしあくまでも抽象的に2分しているだけなので primitive languages と個別の言語を頭の中に描いているわけではない。