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基数的解釈と前提的解釈

Diesing (1992) は不定冠詞の付いた名詞句は基数的解釈と前提的解釈が可能であると分析する。

(1)
a. John always reads an article at dinner.

(1a) の an article は基数的解釈と前提的解釈で曖昧である。基数的解釈の an article はどのような前提もない存在するすべての articles の中の1つの article という解釈である。一方、前提的解釈では、 John はある集合の articles の中から article を読むという解釈で、その中でもある特定の1つの article を必ず読む場合と、その集合の中の1つの article を読む場合の2種類の解釈が可能である。

(2)
a. John always reads an article at dinner. I wonder what article he is reading today.
b. John always reads an article at dinner. There are 10 articles in his reading list. I wonder why he reads it all the time.
c. John always reads an article at dinner. There are 10 articles in his reading list. I wonder which article he is reading today.

(2a) が基数的解釈で (2b) と (2c) が前提的解釈である。

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by miyakmae | 2017-05-26 04:10 | 言語 | Comments(0)

文法用語の混乱

法助動詞を表す用語はあまり正確でないのでちょっとピントがづれてしまう。一般に助動詞は「根源的用法」と「認識的用法」の2種類に分けられる。must でいえば「すべき」という意味が根源的用法で、「ちがいない」というのが認識的用法である。

(1)
a. John must study more.
b. John must be a student.

(1a) が根源的用法の must で (1b) が認識的用法の must である。これらを聞くたびに違和感を抱いてしまう。論理学では認識的モダリティーとは KΦで表され一般にそれらの知識から導かれる結論の necessity や possibility を表すものである。

(2)
a. The dinosaurs must have died out soon.

ある知識に基づいて次のように言える可能性があるという時に使われる。一般的に根源的用法と言われるものは deontic modal logic でこれも necessity と possibility があり、

(3)
a. You must be home by 5.
b. You may come home by 10 after you become 20 years old.

(3a) が deontic necessity で (3b) が deontic possibility である。様相論理学にはさらに doxatic modal logic や alethic modal logic があり、それぞれ belief の世界や真理様相世界を表す。なぜ助動詞の意味的分類を根源的と認識的の2分にしてしまうのかちょっと理解できない。たしかに alethic modal logic と nonalethic modal logic のように2分されるのは確かであるが、epistemic modal logic は deontic modal logic と同じ nonalethic modal logic にあるのである。

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by miyakmae | 2017-05-25 08:50 | 言語 | Comments(0)

spacial deixis

空間分割は普通指示詞を使って行う。指示詞は言語により、分割しない1指示詞の言語や英語やフランス語やドイツ語や中国語のような2分割の2指示詞の言語と、日本語や韓国語やスペイン語のような3分割の3指示詞の言語に主に分けられる(4分割の言語もある)。4分割の言語は話者と聞き手の2分割と遠隔を可視と不可視に分ける。一方、3分割言語は距離指向の3分割と人称指向の3分割に分かれ距離指向は proximate, medial, distal に分かれ、人称指向の3分割は1人称、2人称、3人称と話者、聞き手、話者と聞き手以外の3分割を行う。それぞれ指示詞は人やものや場所や方角や様態や時間や量などを表すため、2指示詞の言語である英語と3指示詞の言語である日本語の翻訳を単一的に行うといろいろなところで矛盾が生じてしまうのである。

(1)
a. That is Tom.
b. あの人はトムです。
c. あちらはトムです。
d. その人はトムです。
e. そちらはトムです。

(1a) は (b) も (1c) も (1d) も (1e) をすべてを表す表現である。

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by miyakmae | 2017-05-24 07:56 | 言語 | Comments(0)

動作主名詞

動作主名詞には動詞から派生したものもあるが、そうでないものもある。

(1)
a. John is a robber.
b. John robs things.
c. John is a thief.
d. *John thieves things.

(1a) は (1b) のような動詞からの派生であるとわかるが、 (1c) は非文となる。

(2)
a. John is a transgressor.
b. John transgresses against society.
c. The country is a aggressor.
d. *The country aggresses against China.

(2a) は (2b)のような動詞からの派生であるとわかるが (2c) はそのような counterpart がない。

(3)
a. John was Tom's helper.
b. John helped Tom.
c. John was Tom's benefactor.
d. *John benefacted Tom.

(3a) は (3b) のような動詞からの派生であるとわかるが (3c) はそのような pararell となる文がない。

(4)
a. John is a good writer.
b. John writes well.
c. John is a good poet.
d. *John poetizes well.

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by miyakmae | 2017-05-23 17:16 | 言語 | Comments(0)

未指定の目的語省略

unspecified objects は一般に省略することができる。

(1)
a. Running is beneficial to people.
b. Running is beneficial.
c. John's remark is suggestive of something.
d. John's remark is suggestive.

しかしすべてが省略できるわけでもない。

(2)
a. John is fond of something.
b. *John is fond.
c. John is desirous of something.
d. *John is desirous.

beneficial とか suggestive はそれ自体で意味が完結しているが fond や desirous は目的語なしには成立しないみたいだ。

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by miyakmae | 2017-05-23 05:54 | 言語 | Comments(0)

目的語の省略

目的語の省略は英語では可能な場合と不可能な場合がある。しかし一般的には accomplishment をあらわすのではなく activity を表す場合に目的語が省略される。そのため一般的な語句は目的語の省略が可能であるが、特殊な特定的な目的語をとるような動詞は目的語を省略すると非文になってしまう。

(1)
a. John promised.
b. *John vowed.
c. John accepted.
d. *John endorsed.

(1a) は問題ないが神への誓いを示唆するような vow の場合は非文となる。 (1c) は問題ないが小切手の裏書をして「認める」とか公的な支持を与えるような endorse となると非文となる。

(2)
a. I protest.
b. *I oppose.
c. John found out.
d. *John discovered.

(2a) の protest は一般的な抗議を表すが (2b) の oppose はある特定の提案に対する反対なのであろうから目的語を省略してしまうと非文となる。 (2d) の discover も + specificity なので目的語を省略してしまうと非文になる。

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by miyakmae | 2017-05-22 07:52 | 言語 | Comments(0)

英語の形容詞

英語の形容詞の中には接尾辞 を付けたり転換して動詞になるものがある。

(1)
a. The metal is hard.
b. The metal hardened.
c. The water is cool.
d. The water cooled.

しかしならないものもある。

(2)
a. The metal is cold.
b. *The metal colded.
c. The sky is blue.
d. *The sky is bluened

いったい何が起きているのであろうか。

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by miyakmae | 2017-05-21 03:59 | 言語 | Comments(0)

Nouns and noun phrases

最近 Bach の Nouns and noun phrases (1968) と McCawley の The role of semantics in a grammar (1968) を読んでいる。昔の論文は示唆するところも多く、書き方も大胆で面白い。

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by miyakmae | 2017-05-20 08:42 | 言語 | Comments(0)

カメレオンと人間

カメレオンと人間が同じだというと疑う人が多いかもしれないが、日本語の話ではなく、英語の chameleon と human の話である。chameleon はもともとは ground lion つまり earth lion という意味で神様が土をこねてできた human と同じ。英語の human は exhume とか humus に表されるように「土」というのが原義。 chameleon も「土ライオン」というのが原義で両方とも chame と human 両方とも「土」という意味なのだ。 chameleon はロマンス系なのでc が ch になってしまっているから気づきにくいが、ゲルマン系は ch の c が欠落して h になっている。だから camomile も同じなのかな。

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by miyakmae | 2017-05-18 08:54 | 言語 | Comments(0)

派生名詞



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that 節をとる動詞は普通は派生辞を付けて名詞にする。

(1)
a. John stated that he would fail.
b. John knew that he would fail.
c. John denied that he would fail.
d. John admitted that he would fail.

(1) の名詞化は

(2)
a. John's statement that he would fail
b. John's knowledge that he would fail
c. John's denial that he would fail
d. John's admission that he would fail

しかし接尾辞を付けずに名詞にする場合もある。

(3)
a. John hoped that she would fail.
b. John feared that she would fail.

(3) の名詞化は

(4)
a. John's hope that she would fail
b. John's fear that she would fail

(4) の名詞化は (2) の名詞化と同じように派生辞である接尾辞を付けたと考えて、ゼロ―派生辞を想定するのがいいのか、それともゼロ―派生辞ではなく転換によって名詞化されたのか、もしくは (3) が (4) の名詞からの転換によって動詞化されたと考えるのかよくわからない。



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by miyakmae | 2017-05-18 07:34 | 言語 | Comments(0)


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