自他交替をするいわゆる能格動詞は名詞化が可能な場合と不可能な場合に分かれる。
(1)
a. John grows potatoes.
b. *John's growth of potatoes
(1a) は自動詞にも他動詞にもなる能格動詞の grow である。しかし (1a) を名詞化した (1b) は非文となる (growth の場合は)。次に自動詞の名詞化を見てもらいた。
(2)
a. Potatoes grow.
b. potatoes' growth
(2b) は (2a) の名詞化であるが問題がない。このようなことを説明するのにいろいろな分析がなされているが、やはり非対格動詞やECM構文や tough構文のように、いわゆる変形から生成された文は名詞化を block するとする単純な分析の方がいいような気がする。とわ言っても能格動詞の派生に関しては伝統的には他動詞文は自動詞文から派生したと考えるのが一般的であるが、その逆の他動詞文が基底の文であるという分析もある。