疑似分裂文

Higgins (1973) の MIT の博士論文を読んでいるがなかなか面白い。まずは疑似分裂文と自由関係節との違いで、疑似分裂文は自由関係節文の一部であると分析する。

(1)
a. What he wants is inexpensive.
b. The thing that he wants is inexpensive.
c. What he wants is this car.

(1a) は先行詞を含む自由関係節で (1b) と同じような意味である。これは何が前提で何が新情報化はあまりはっきりしないが、 (1c) は He wants something. という前提がある。 (1c) が疑似分裂文である。自由関係節は主語の繰り上げがなされた文でも可能であるが、疑似分裂文は主語の繰り上げがなされた文では非文となる。

(2)
a. What John was was certain to be hated.
b. The character that John was was certain to be hated.

(2a) は自由関係節文としてなら文法的で what John was は「ジョンの性格」とか「ジョンの人となり」という意味では問題ないが、 John was certain to be hated. の John を疑似分裂文にした「ジョンはどのような人かというと確かに嫌われる人であった」という解釈では非文となる。またちょっと intuition が必要だが

(3)
a. What John is is important to him.
b. What John is is important to himself.

(3a) は自由関係節文の解釈のみ可能であるが (3b) は疑似分裂文の解釈のみ可能である。


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by miyakmae | 2017-04-26 06:09 | 言語 | Comments(0)

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