many a man と a good five miles

不定冠詞と複数表現は決して conflict しないのであるが複数表現が外側に来た場合にはどうも様子が異なるみたいだ。

(1)
a. I saw many men.
b. I saw many a man.

(1a) も (1b) も「たくさんの人」を見たという意味ではあるが、どうも (1a) よりは (1b) の方が「非常に多くの人」というニュアンスが強くなる。これは不定冠詞 a が man の前に付き individuate して境界の明白な人のイメージを与えるからであろう。 (1b) の目的語はまず man に不定冠詞の a が付き「人間」とかではなくもっと具体的な特定の形を有した「人」という意味に変えて、その a man に「たくさん」を意味する quantifier である many が付いたのである。many は a man についているのである。

(2)
a. I saw [many [a [man]]s].
b. I saw [many [a [man]]Φ].

本当は many が付いているので [a man]に複数接尾辞の-s がつかなくてはいけないのであるが、不定冠詞の a の方がはるかに man に近いので conflict が生じて (2b) のようになってしまったのであろう。複数表現と不定冠詞の関係が逆の場合には単数形は無標なので表面的な衝突は生じないのである。

(3)
a. The destination is a good five miles away.
b. [a [good five miles]Φ]

(3a) の a good five miles は mile に five が付き five miles と複数接辞がつき、それに強意の good がつき good five miles と複数の境界線のない曖昧な概念が構成されたうえで、それに輪郭を与えより具体的な距離にしようとしたのが不定冠詞の a である。実際には不定冠詞の a が付いているから全体としての名詞句は単数接尾辞のゼロ接辞がついているのであるが直近は miles と複数語尾で終わっているので表面からは見えなくなっているだけである。

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by miyakmae | 2017-03-11 07:21 | 言語 | Comments(0)

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