島の制約

英語では wh句は島の制約がかかって自由に移動できなくなっている。

(1)
a. John saw the man who saw the dog.
b. *What did John see the man who saw?

(1b) が非文なのは関係節という島から wh句を移動させたためである。しかし日本語ではそのような島の制約がかかっていないように見える。

(2)
a. ジョンは犬を見た男に会った。
b. ジョンは何を見た男に会ったの。
c. 何を見た男にジョンは会ったの。

しかし (2b) や (2c) は英語の (1b) と同じ移動が起きているのではなく、 (2b) や (2c) は日本語特有の scrambling が起きているだけで wh 句の移動が起きているのではない。それでは日本語には英語の wh 句の制約がないのかというと、そうではない。

(3)
a. 太郎は次郎が駅で花子に会ったと思っている。
b. *花子には太郎が次郎が駅で会ったと思っている。
c. 花子に太郎が次郎が駅で会ったと思っている。

単なる scrambling でなく「花子には」と (3b) のように題目にすると移動に制限がかかってしまうのである。 (3c) のように「花子に」と単純な scrambling の場合は問題ないが (3b) のようになると英語と同じく島の制約がかかってしまうのである。

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by miyakmae | 2017-02-28 08:46 | 言語 | Comments(0)

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